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2007年11月15日 (木)

ヤメ検、田中森一

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元東京地検特捜部検事、田中森一著、「反転」。

秋も押し迫った木枯らしの中、風呂の窓を開け放し、湯に浸かりながら遠くに雄鹿の鳴き声を聞きつつ露天風呂に浸かった気分で2,3日数時間かけ深夜に読み終える。

耳が冷たく、吐息が白い。

久々の興奮させられる良本で凄まじいの一語に尽きる内容だ。

書かれている中身が全て真実なのか?
又、係争中なので自己弁護的な所も見えなくもないが、視点を変えると

’検察の独自性に対する問題提起の書’でもあるだろう。

内容は検察のトップを目差すコースを外れながら体当たりで難事件を次々と解決していく。

だが、国策捜査と云う政界と検察の関連から上層部より’天の声’で重大事件にストップをかけられ次第にジレンマに陥る。

そして検察を辞め、弁護士生活に入るが、時、正しくバブル真っ盛り、凄まじい金銭の動きの中で、アウトローの視点に立った華々しい弁護士活動、そして遂には元の職場である検察から逮捕されてしまう。

リアルに日本の政界、司法、金融の癒着、後進性を露骨、又、検察内部の葛藤、矛盾も記されているが此方はやや鋭さに欠けている。

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それにしても、次々に出てくる実名の悪徳政治家、
例えば安倍晋太郎、晋三親子、田中角栄、山口敏夫、竹下 登。
ヤクザでは山口組五代目組長渡辺芳則、山口組若頭宅見勝。
バブルの悪役では五えんやグループ代表、中岡信栄、それにフィクサーなどど呼ばれているが実際は姑息な詐欺師でしかない許永中等々。

賑やか過ぎると云うか濃密な極悪人の人間関係、そして悪事のオンパレード。

最後には大物悪党の一人である許永中に強烈なシンパシーを感じ、裏切る事はせず刑に服する形で大著は終える。

そこに田中森一の人生観、人生哲学なるものが見て取れるし、それを人間的な弱さ、人間の魅力と感ずるのかもしれない。

田中森一弁護士のアウトローを擁護するスタンスには苦労人として、又、異端弁護士としての何某かの包容力も感ずるが一番期待した元検事の根っこにある筈の’哲学’が感じられないのがとても残念だ。

その昔、大物検事が巨悪は眠らさない等とのたまっていたが所詮、検察庁といわれる組織も行政官庁の一つで現政権や社会体制がひっくり返る様な悪事には決して手を付けず又、司法のいう’正義って’時々変わる事も改めて実感させられる。

検察からリバウンドが心配されるがよく出版できたもんだ、
さすが幻冬舎。

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