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2008年1月11日 (金)

マウンテンマンの生き方

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今野 保著「秘境釣行記」中央公論社の中に、
気がむけば、真冬にたった一人で食料も携帯せずに雪深い道無き道を山奥に入り、罠で狩猟を行い、食料を得、数週間~数ヶ月の後に沢山の毛皮を両手に抱え、里山に帰ってくる逞しく、生命力に満ちたアイヌの話が書かれている。

実際に似かよったお話をアイヌの古老から聞いた事もある。

銃は所持せず、あくまで自家製の罠を数十箇所に仕掛けるそうだが帰宅できなかった人達もいたそうだ。

動物と猟師の生死の戦い、失敗は即、死に繋がる、度胸と勘のみの世界、これが縄文時代から続く、真の狩猟なのだろう。

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同様の孤高な生き様を貫く御仁がアラスカにもいた。
野田知佑氏が数年かけてアラスカのユーコン川を釣竿、銃を携え、愛犬を連れ、手漕ぎカヌーを操りながらの旅行記、「ユーコン漂流」文春文庫にマウンテンマンの事が書かれている。

旅行途中、休息の為カヌーを陸揚げし、カール・コーハンと名乗るマウンテンマンの家に宿泊する。
この男、10年間海兵隊勤務の後1,2度結婚しそうになったがうまく切り抜け未だ栄誉ある独身、ハスキー犬2頭と銃のみでユーコン川沿の小さな一軒家に生活しているらしい。

カール曰く、

「自由、大きな空間、俺に命令する奴がいないこと」と、

又、「事故があっても助けは得られないし、そのまま死ぬしかない」。

「使う金は年に4000ドルだな、節約すれば3000ドルでもよく、収入源は狼、テン、リンクス、ビーバー等の毛皮を春にフェアバンクスに持って行き売る」と。

「トイレに座っている時、熊が出てきてそのままの姿勢で撃ったこともある」と。

最後に、カールにとって大切なのは文明社会の快適さより自由なのだろうと結んである。

開高 健はニーチェからの引用文で?肝心なフレーズを省いて、

「男が人生で熱中できるものは危機と遊びである」書いていた。

なるほど、

これが自由ってやつかな?

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コメント

それが自由の定義だとするなら財閥令嬢等の何の不自由のない生活を送っている方々にはとうてい理解できないものでしょうね。
不自由のない生活を送っていても本当の自由を知らないなんて皮肉なものですね。

投稿: ASA | 2008年1月13日 (日) 19時12分

freedomですか,
解釈は人それぞれに違ってこそ面白いですよね。
社会的な制約、人生観、価値観が複雑に絡まり結局、枠と云うか、足枷を現代人は取り去る事がなかなか出来ないですよね。

暗澹たる人生をおくってきたカール君のresettingされた即物的側面を取り払った究極のパラダイスなのかもしれない。

と、考えてあげたい。

しかし、野田知佑氏の本心は相対する所に必然的にある筈の自己責任も忘れるなーと言いたかったのでしょうか。

下らない教師のような返答で済みません、
所で、沖縄は暖かいのでしょうね。

投稿: 与作 | 2008年1月13日 (日) 21時26分

現代医学の助けが無ければ40代後半であちら側の世界に行っていた私では到底自由とは縁遠かったです。
母親の話では物心付く頃には靴を履くのが嫌いで、常に裸足で、畑の畝の間に眠くなれば寝ていたときいておりましたが、どこかで方向を間違えたようです。
風が吹くように、雲が流れるように生きてみたかったです。

投稿: 清水小政 | 2008年1月14日 (月) 19時20分

こんばんは、komasaさん

カール君の網膜には24時間、360度の地平線がきっと映っているのでしょうね。

愚生は、或いはkomasaさんもきっと同じだと思いますが出来る事なら水平線上の彼方を自由に羽ばたくカモメの目線で地上を覗いてみたいものです。

それにしても、御幼少の頃は羨ましい環境で過ごされたのですね。

又何時か、船上で大笑いしながらノンビリ、ユッタリと居眠りしつつ。
(笑い)

投稿: 与作 | 2008年1月16日 (水) 18時57分

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