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2008年2月 1日 (金)

死を覚悟した瞬間-6m先の熊

Imgp3373

熊は此方に全く気付かず、悠然と泳いでなおも寄って来る。

愚生はあえて逃げる事はせず、早く気付いてくれと祈る様な気持ちながら肝を決め、そこから動かずに留まる事を決意する。

何故なら、下手に動き、もしも急流で足をとられ流されたなら、確実に熊の鼻先に流れ着く位置にいる事、又逃げおおせるだけの距離、時間的な余裕も既にない。

しまいには、愚生の左手に持っている6.1mの釣り竿の先が熊の顔に届く所まで来てしまう。

何て事だ、矢張り逃げた方が良かったのか!

いよいよ、はちあわせか!!

所が、水中から愚生のウェーダーが見えたのだろうか、それ以上近付くのを止め、川岸の浅場に体を寄せ、遂に水中からノソッーと大きな岩の様な上半身が現われる。

雄熊だ!!

デカイ、

とんでもなくデカイ奴だ、

巨大な頭を持ちその大きさは左右耳間が凡そ40cm、頭頂部から下顎部まで凡そ45cmか、それ以上あるか、

推定体重は300Kg位か、それ以上かもしれない。

テレビでよく放映されるツキノワグマなど全く比較にもならない。

濡れた皮毛は淡い黒から茶褐色に近く、体表を覆う長毛、特に背正中線部を中心にくすんだ黄金色毛も有し、渋い光沢がある。

肩峰部が異様とも見えるほどに盛り上がり、栄養状態も良く、見事に鍛え上げた雄大な体型を呈している。

Imgp1961

あまりの迫力に恐怖感は一時、吹っ飛び、逆に崇高なる存在感に圧倒される事しばし。

まだ、北海道にはこんな度肝を抜くドデカイ熊がいる、

特に上躯の発達は素晴らしく、まるで肢を短くした力強い馬車馬の様に見えなくもない、

ツキノワグマなら、或いは究極の時には闘う事も選択肢の一つかもしれないが、このヒグマの大きさはその3-4倍はゆうにあるだろう。

こいつが竿先が届く位置で身震い一つせず、水を滴らせて微動だにせず、此方を睨みつけている。

さあー大変!

生きて帰れないのか!!

その距離6m、だが愚生との間には深く渦巻く溜りがある、

泳いで襲ってくるのか、それとも一度、川岸にあがり、岸伝いに近づき、飛びかかってくるのか。

周囲に誰一人助けてくれる人はいない、

食い殺されるのか、

それとも強烈な前脚で叩かれ、一発で終わりか

過去の熊による残虐な殺害事件が一瞬頭を過ぎる。

                           -続く

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