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2008年2月20日 (水)

スターリンと偽科学とdna

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今では、イデオロギーに迎合した科学者とも云われている、ソヴィエトの有名な遺伝学者ルイセンコが時のスターリンの御用学者となり、’獲得形質は遺伝する’とした、とんでもない理論を立ち上げる。

2千万人から5千万人も虐殺したといわれる独裁者スターリンには逆らえる筈もなく、当時の生物学会も当然の事ながら同調する姿勢を示したのに対し、正論を吐く科学者にとっては生死をかけた論争だったのだろう。

そして、これらの科学者を次々と投獄、或いは処刑してしまい、学問の自由など全くない、偽科学者と時の権力者の組した象徴的な出来事があった。

その頃、アメリカのテキサス大学からソヴィエトに渡っていたノーベル賞を受賞している遺伝学者のH・J・マラーも処刑される所だったと言われ、彼の友人らも悲惨な最後を遂げたと言われている。

やがて、マラーは無事アメリカに帰国し、彼の有能な教え子の一人であったJames Watsonがdnaの構造解明に成功する。
その分子生物学により、やがて獲得形質は遺伝しない事が証明され、ルイセンコの学説は否定される。

James Watson、Francis Crickによって発見されたdnaの二重らせん構造、その中でも肝心なA-Tアデニンとチミン,G-Cグアニンとシトシンが互いに補いあっている事が閃いたのは1953年2月28日とされ、3月9日にそのモデルを発表した科学史上でも有名なお話がある。

同時期、ソヴィエトでは後々問題となる事が進行していた。
最高指導者であったスターリンが晩餐会後に倒れ発見が遅れた事も重なり1953年3月5日に死亡、同9日に葬儀が行われたとある。

まさしく映画のストーリーの如く、二つの出来事が根っこを一つとし、洋の東西で同時進行する、まるで上手に脚本された物語の様なノンフィクションが約50年以上前にあった。

この史実に加え、もしスターリンが毒殺されたとするのなら、これを後世の小説家は単なる偶然なのかと疑念を提起し、そこから色んなフィクションが創作されている。

ある作家は仇をとったの如く正義論を、又ある作家は何とかの呪いの如く陰謀説を、そしてdna発見までの隠された歴史として。

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所でメンデルの法則を無視したルイセンコの学説とは、簡単に言うと、「生物の特徴は環境で変わり、それが子孫に伝わるのでこれを応用すれば品種改良を行う事ができ、農業生産は飛躍的に伸びる」と今にして思うと奇論、愚論の類である。

それをヤロビ農法(別名ミチューリン農法)と称し、ソヴィエトで実施されたが見事に失敗、多くの餓死者を出したとも云われている。

欧米では勿論採用されなかったが、日本では特に進歩的知識人、進歩的農民の間に採用された。

結果は同じく惨憺たるものであったらしい、

では何故、日本では採用されたのか?

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