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2008年2月29日 (金)

王室と皇室

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イギリスのHarry王子がアフガンの最も危険な最前線で兵務につき、他の一般の兵士同様、命の危険にさらされシャワーもない所で寝食を共にしている様子が今日のbbc newsで報道される。

あの皮肉屋の多いイギリス国民、王室、そして女王共々誇りに思っており、ダイアナ妃の不審死、離婚騒動以降低下した信頼度がこれでアップするだろうと好意的な見方だ。

この欧米社会のよき伝統の一つであるノブレス・オブリージュという思考、貴族に課せられた義務とでも訳されるか武士道にも通じる高貴なバイブルだが公家社会にはなかったのだろう。

日本の皇室は、明治以降、近親者間の婚姻がすすみ、その弊害を避ける為に一般から后を迎入れたものの、狭い御所なる所で古き因習に馴染めずにいた后に対し、時の皇后並びに松平、徳川姓を名乗る女官あたりから凄まじいイジメを受けたとされる。

皇室とはそれらのストレスから精神的疾患を患うものが続出する事さえもなんら厭わない抑圧された前近代的なシステムによって形作られているらしい。

時代は大きく変化しているのに、皇室と国民と切り離し、閉所に押し込める事があたかも’神格化’だとする時代錯誤も甚だしい、前近代的な宮内庁の老化しきった思考方式、皇族に対する人間的配慮を断つ事、これがしきたりなのだろうか、であるならこんな組織が未来永劫続くはずもないだろう。

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国民は’お世継ぎ’、’女帝’等々のフレーズを平気で声を大にして吐くが、当事者の心痛たるやいかばかりか押して知るべし。

まるで物理的に繁殖を乞う家畜に対するが如く、男子誕生を願う短絡さゆえの恐ろしさ、そしてその愚かさすら自覚できない国民。

メディアも天皇家のプライバシーはないと完全に否定しているがそれは大きな誤りであろう。
そもそもプライバシーの喪失という事は人権否定にもつながる由々しき問題であり軽々しく口にすべき事でないだろう。

象徴という言葉の前に誰の為の皇室なのか。
あたかも宮内庁の為の皇室、怪しげなイデオロギーを振りかざす輩の為の皇室的側面を敏感に感じ取る多感な若者の間では、不要論、解体論まで飛び出している。

将来の日本を考えた場合、莫大な予算を注ぎ込む天皇制度はそれほど必要なものなのだろうか、こう言った漠然とした疑問は誰でも抱く事だろう。

このままでは江戸時代の頃の存在感のない質素な皇室の様にいずれ時代と共に大きな変化を余儀なくされるであろうし、現在の皇太子の心証は解らないが行動、発言等はそれを暗示している様にも思える。

いずれ皇室の縮小、簡素化論ではじまり、解体論も出てくるのではないだろうか。

それはそれで健全な議論であろう。

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2008年2月25日 (月)

エゴイズムと遺伝子工学

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元宇宙飛行士の秋山豊寛氏は’農’の原点に立ちつつ福島の山奥からご意見を発信されている。
「人間の暮らしはせんじつめれば、食べて眠り、そして次世代を作るという事を紡ぎ出し織り出してきたものという気がします」、
と著書、’鍬と宇宙船’の中で的確に述べておられる。

秋山氏の現代に対するアンチテーゼとして、あえて半世紀も前の思考、実験的とも思われる自給生活から得られる貴重な農、食料論、そして清貧なる人生論に団塊の世代の一人としてある種のシンパシーを感ずる。

所が生物としてのヒトといわれる固有主は増殖を自己抑制するシステムを所有せず、いつのまにか哺乳類のトップに君臨してしまい、例えるならゴキブリ以上の勢いで地球上に異常繁殖し続けている。

その中でも、極一部の人は死後も再び現世に生きかえる事を夢を見ているらしい。

アメリカではウォルトディズニー氏をはじめ、既に死去されたごく一部のお金持ち等が高額なお金を支払い、生前のご意思通リボディバッグに納まり、freezingされているらしい。

やがて何時の日か技術が解明されたあかつきには、解凍されこの世に再度ご登場する日をドライアイスの中で首を長くして待っていらっしゃるとか。

その際、あまりのカルチャーショックで、ボディバッグに再び収容されなければよいが。

その時、キリスト様はビックリして腰を抜かさないだろうか、それとも再度、復活のお祈りを快く引き受けてくれるかどうか。

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アンチエイジング、anti-aging/抗加齢という概念が近頃、声高に叫ばれている。

50年に一度、科学史に残る大発見があるといわれているが、
J Watson、F Crickによって発見されたdnaの二重らせん構造の発見から50年後の2003年、ヒトの設計図とも言われるゲノムマップが解明される。

それを元に、遺伝子工学技術を駆使し老化や死の遺伝子を破壊し、自分のクローンを作出、記憶力、体力を向上させる遺伝子、病気を引き起こす遺伝子等を生殖細胞レベルで改造する。

こんな夢物語が理論上は既に可能だし、動物実験では成功している。

いずれ寿命が二倍になるだろうと言われ、臓器を栽培、販売し破損、又は機能低下したパーツを交換する事もいずれさほど難しくもなくなるだろうと言われ確実に実行される時が来る。

現在の世界人口は66億人として年間に7500万人ずつ人口が増加しているらしいが、地球上で収容出来得る能力は80億人と言われている、詰まり2020年~2030年には満員御礼に達するだろう。

しかし、その簡単な計算式にはアンチエイジングの理論値は採用されていないのでまだ速まる可能性は十分にある。

悲観的唯物論者ではないが、全地球的に水、食料を含めそうなった場合我々はどう対処するのだろうか、論点にすらなっていない。

始皇帝は不老不死を薬に求めたが、今は遺伝子工学の出番、

やはり、人間という動物の根源的で最大の欲望は不死であろうか。

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2008年2月20日 (水)

スターリンと偽科学とdna

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今では、イデオロギーに迎合した科学者とも云われている、ソヴィエトの有名な遺伝学者ルイセンコが時のスターリンの御用学者となり、’獲得形質は遺伝する’とした、とんでもない理論を立ち上げる。

2千万人から5千万人も虐殺したといわれる独裁者スターリンには逆らえる筈もなく、当時の生物学会も当然の事ながら同調する姿勢を示したのに対し、正論を吐く科学者にとっては生死をかけた論争だったのだろう。

そして、これらの科学者を次々と投獄、或いは処刑してしまい、学問の自由など全くない、偽科学者と時の権力者の組した象徴的な出来事があった。

その頃、アメリカのテキサス大学からソヴィエトに渡っていたノーベル賞を受賞している遺伝学者のH・J・マラーも処刑される所だったと言われ、彼の友人らも悲惨な最後を遂げたと言われている。

やがて、マラーは無事アメリカに帰国し、彼の有能な教え子の一人であったJames Watsonがdnaの構造解明に成功する。
その分子生物学により、やがて獲得形質は遺伝しない事が証明され、ルイセンコの学説は否定される。

James Watson、Francis Crickによって発見されたdnaの二重らせん構造、その中でも肝心なA-Tアデニンとチミン,G-Cグアニンとシトシンが互いに補いあっている事が閃いたのは1953年2月28日とされ、3月9日にそのモデルを発表した科学史上でも有名なお話がある。

同時期、ソヴィエトでは後々問題となる事が進行していた。
最高指導者であったスターリンが晩餐会後に倒れ発見が遅れた事も重なり1953年3月5日に死亡、同9日に葬儀が行われたとある。

まさしく映画のストーリーの如く、二つの出来事が根っこを一つとし、洋の東西で同時進行する、まるで上手に脚本された物語の様なノンフィクションが約50年以上前にあった。

この史実に加え、もしスターリンが毒殺されたとするのなら、これを後世の小説家は単なる偶然なのかと疑念を提起し、そこから色んなフィクションが創作されている。

ある作家は仇をとったの如く正義論を、又ある作家は何とかの呪いの如く陰謀説を、そしてdna発見までの隠された歴史として。

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所でメンデルの法則を無視したルイセンコの学説とは、簡単に言うと、「生物の特徴は環境で変わり、それが子孫に伝わるのでこれを応用すれば品種改良を行う事ができ、農業生産は飛躍的に伸びる」と今にして思うと奇論、愚論の類である。

それをヤロビ農法(別名ミチューリン農法)と称し、ソヴィエトで実施されたが見事に失敗、多くの餓死者を出したとも云われている。

欧米では勿論採用されなかったが、日本では特に進歩的知識人、進歩的農民の間に採用された。

結果は同じく惨憺たるものであったらしい、

では何故、日本では採用されたのか?

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2008年2月18日 (月)

どちらかが嘘をついている

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優秀なスポーツ選手のトレーニングで鍛え上げられた骨格、筋肉の発達,パフォーマンスもさる事ながら、ハードなトレーニングだけで果たしてそこまで立派な体型が出来るのか、昔から漠然とした疑問があった。

ドーピングの歴史は検査テクニックとイタチゴッコとも云われ、愚生の知る所、古い所ではローマオリンピック当時、特に共産圏出身の選手が多用し、強烈な副作用により当時のメダリストの多くは、その後各種疾患を患い短命であった事が報告されているがその凄まじい副作用に驚いた記憶がある。

副作用の知識の有無、そして、そこまでしてもやるのか、やらざるを得なかったのか、分からないが共産圏と呼ばれた国状の違いを日本人の一人として思い知らされた事がある。

所が、時代も大きく変わり、副作用も軽減された今、アメリカのプロスポーツ選手の多くは下層階級出身といわれているが、体を大きくする為に、幼年期よりほぼ100%ステロイド剤を使用しているらい。

所が、オリンピックドーピング委員会の影響からか、昨今規制が喧しくなり、過去に使用経験のある選手にしてみると、’何を今さら’といった所がどうも本音らしい。

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従って、過去の名声に傷を付けたくない有名選手は高額な弁護士を雇ってでも徹底して否定するのだろう。

mlb大リーグの薬物汚染を調査しているアメリカ下院の公聴会がワシントンで13日開催され、ニューヨークヤンキーズのロジャークレメンスが弁護士を伴って出席し、彼の個人トレーナーだったブライアンマクナミーと舌戦を繰りひろげ、その模様はライヴで全米中にテレビ放映された。

個人トレーナー曰く、ステロイド剤、ヒト成長ホルモン剤をロジャークレメンス本人からの指示により彼自身に注射したと証言したのに対し、逆に、クレメンスは受けた注射はビタミン剤であり違法ではなかったと証言した。

心情的にはサイヤング賞を数度受賞しているロジャークレメンスを応援したいが、苦しい答弁が目立ち、同委員会のワックスマン議長は言及を避けつつ、どちらかが嘘をついているとし、FBIも捜査中、もしも有罪が確定すると、日本の偽証罪と違い数年の禁固刑を伴う厳しいペナルティがある。

しかし、そこはある意味で自由の国アメリカ、市民も大方、虚言と知りつつも興味を寄せSFジャイアンツのバリーボンズ同様に同情論も飛び交うが危うしアメリカンヒーロー。

余談だが日本でも過去に引退した元横綱力士を含め、疑わしい事例には事欠かない?

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2008年2月14日 (木)

異端と主流

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愚ブログに前にも書いたが、発ガンのメカニズムもまだ全て解明されていないのにも拘らず病気腎臓移植を行った事に対する、世間の風当たりは凄まじい。

厚生労働省、社会保険庁、日本移植学会らが束になって万波 誠医師を攻撃、保険医取り消しまで言いだした。
頑張れ、万波 誠医師と言いたくなる様な昨今の現況だ。

アメリカで御活躍されている藤田士朗フロリダ大学准教授によると、この様な情けない動きとは裏腹に今年1月、フロリダ全米移植外科学会冬季シンポジュームで万波 誠医師らの行った病気腎臓移植業績がベスト10に選出され、論文がAmerican Journal of Transplantation という、臓器移植学会では最も権威のある医学雑誌への掲載が先日認めらたと報告されている。

今では世界でもトップクラスの評価を得ているらしいが、日本では相も変わらず、まるで犯罪者扱いだ。

何故か?

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例えば、写真機なるものが最初に日本に入ってきた時、命が奪われると大騒ぎした日本人がいた様に、又明治初期にオランダ医学を根本から否定した漢方医がいた様に、病気腎臓移植で感染すると大騒ぎする医師がいる。
日本という、超保守的風土を有した国民性からしても、ある種病やむをえない側面もあるだろう。

しかし、底流には無知、訳の分からない愚かな権威主義、セクト主義なるものが見え隠れしている様に思えてならない。

異端と主流という比喩がある。
異端というと、あたかも実験的、八方破れ的な思考かと思いきや、さにあらず、新しい知識の下、改革を起こす事であり、万波 誠医師は腎腫瘍は移植では感染しないという確固とした知見の下で行われた事であろう。

歴史の節目、大きな変革期の登場した人物はその殆んどが異端と揶揄された人物であり、歴史上、最初に車を作った人、テレビを作った人、飛行機を作った人々は皆さん’異端者’であり、奇人、変人扱いであった。

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2008年2月10日 (日)

愚生の見た帝銀事件

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学生時代に読みあさった帝銀事件に関する資料を再度引っ張り出し、websiteも併せ興味を持ってここ数ヶ月見ているが、どう転んでも犯人とされ獄死した平沢貞通氏を有罪とする確証はやはり見当たらないばかりか、逆に無罪と判断しうる証拠が目に付く。

無分別の現、鳩山邦夫法務大臣が担当だったならいざしらず、歴代法務大臣が印を押さなかった事も十分理解できる。

今、もしもここで模擬裁判を開き証拠書類、故平沢貞通氏の調書等を並べ、白、黒の決着をつけるのなら有罪とする裁判官は果たしているのだろうか、甚だ疑問だ。

それにしても不可思議な事は、あやふやで、いい加減な各種の証拠に基づき死刑を宣告した裁判官の心理であり、人の一生を消し去る死刑判決を確証すらないのに躊躇いもなく決定する裁判官の心の中を知りたい。

これら裁判官の中で、汝らが下した判決に責任を持つ、或いは自信があると言える輩は一人でもいるのだろうか。

関係された裁判官はみな御高齢、もしくは既に他界された方もおられるだろうが各人、人生の節目で自ら下した判例を振り返った時の心境たるや、如何ばかりか。

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時の行政府、GHQらの大きな目に見えない圧力が加わっていた事は十分推察できるが司法の独立云々云う前に外部の力をはねのける力量を有した裁判官はいなかったという事だろう。

弁護団々長は故遠藤誠氏が務め、「日本の黒い霧」の故松本清張氏、他に映画、マスコミ、出版物にも沢山取り上げられ、一度に23人の死刑執行書に署名した元法務大臣の故田中伊三次氏でさえ「これは冤罪だろう」と言って死刑執行を命じなかったと言われている。

警察、検察、裁判所と連綿のごとく、どす黒い闇、馴れ合いが目に余ると言えばまだ聞こえは良いが、帝銀事件はGHQらが琴線に触れられる事を拒み、全く関連性のない一画家を生け贄にした、れっきとした国の犯罪の様相を呈しており、社会正義の面でも再審の道はこじ開けねばならない。
そして可能なら関係した警察、検事、裁判官らの大罪を問いたいと思っているのは他ならぬ養子縁組された平沢武彦氏だろう。

「牟田口 裕之の舎房日誌は破られていた」には元看守の視線から故平沢貞通氏の自白調書偽造の疑い、拘置所あげて証拠隠滅の事実を指摘しているが、これなどは影で国家が蠢いていた明らかな証であるにも拘らず裁判では何故か証拠採用されていない。

突詰めれば、帝銀事件で裁判官に課せられた事、言い換えればこの裁判のポイントは高度な法解釈などではなく、人として誠実なこころ、極あたりまえの常識をわきまえているか、それを行動に移せるか、否か、ただそれだけの事といえるかもしれない。

しかし、裁判官が全て愚かなわけではなく、愚ブログに書いたが袴田事件の第一審を担当され、死刑判決を下された裁判官のお一人であった熊本 典道氏は陳述書を添え、再審開始を求める上申書を最高裁に提出され、
「可能ならば袴田氏無罪の陳述を行う為、最高裁判所に出廷したい」主旨も述べておられる。

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2008年2月 9日 (土)

タバコと盲論

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タバコが主たる原因か、誘因か言及されていないが2月7日、whoからタバコ喫煙による世界の年間死亡者数はいずれ800万人にも及ぶとの発表があったがその数字の裏には何倍もの患者がいるのだろう。

タバコが原因で6秒に一人死亡し、世界の8つの主要死因のうち6つの危険因子であるとしている。

hiv/エイズよる世界の年間死亡者数は300万人弱と公表されているがそれに比較しても数字の大きさには驚く。

そこから簡単な事が見えてくる。

☆プラスの要因
世界の人口抑制に少なからず寄与、
タバコ産業の保護による税収源の確保、

☆マイナスの要因
タバコ健康被害による莫大な医療費の浪費、
寿命の短縮、

☆屁理屈
他人の趣向にとやかく言うな!

☆もしも地球上からタバコがなくなったなら
税収の極端な低下。
呼吸器専門の医師がある程度トレードされ、医療費が減額すると思いきや人口増加がより一層進み医療病類数のシフトはあっても医療費総額はむしろ増加するかも?
タバコ耕作地が農地に変換され食料生産は若干増えるが、それによる増加した人口を賄うまでには至らない?

☆結論
ならば、大いにタバコを楽しんで頂いてはいかが!!

と、安ワインとタバコをたしなみつつ支離滅裂な事をのたまって.......。

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2008年2月 8日 (金)

プラダもここまでやる

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今では、世界中何処に行ってもいるいる中国系、韓国系しかし、それを利用する側の事情もあっての事だろう。
文芸春秋2月号に、塩野七生さんがイタリア国営放送テレビで取り上げた、日本でもお馴染みのブランド品に付いて興味ある事を書かれていた。

要約すると、まず、イタリア製と認める条件として30%を国内で生産する事とある。

有名ブランドの幾つかは各グッツのパーツを中国に送り現地で低賃金の労働者に70%仕上げさせ、その後、イタリアに逆輸入され、残りの30%をイタリアに住む不法入国者の中国人が作っていると暴き出し、それら有名ブランドのプラダ、ドルチェ&ガッパーナの代表にインタヴューを申し入れても返事が返ってこなかったとしている。

今更、驚くに足らないが、その30%という数字、何を根拠に出したのか理解に苦しむ。

例えば、南部チュニジアで生産されたオリーブ油は評判が悪く売れ行きが良くないのでイタリアに運び精製、メイド・イン・イタリアのラベルを張り、出荷すると何故かすこぶる売れ行きが良いらしい。

なるほど、食べ物、ファッションに眼のないイタリア人らしい狡猾と言ったなら失礼だがマフィアと同居するお国柄ではやむを得ないのかもしれない。

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女史は最後に、勿論、中国人が製作しているから駄目と言っているのではないと一応、付け加えてはいるが、要するに、趣向の問題だから、中国で作ろうと不法入国者が作っていようと二義的な問題でしかない。
ただし、事情を知って買うのとそうでないのでは違いは矢張りあるのではないかと思う、と右寄り、硬派を売りにしている本書にしてはやや控えめな書き方だ。

イタリア人の職人技にほれ込み、買求めているユーザーを全く無視どころか騙し、平気で販売を続けるのならば、プラダ、ドルチェ&ガッパーナ等の製品は正直にメイド・イン・チャイナと表示して販売単価も従来の半値以下にすべきだと思うが如何かな、社長さん。

こんな阿漕な商売がイタリアにもある。

利用する者、される者、だます者、そしてだまされる事すらわからない者、まるで何処かの国の政治システムの如く、そして何処かの国の新興宗教のシステムの如く、古今東西、この図式は普遍ということだろう。

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2008年2月 5日 (火)

死を覚悟した瞬間-エピローグ

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横たわるメス鹿を目の前にして、友人と’こんなご馳走をみすみす置き去りにするなんてもったいない’と意見が一致、携帯していたバックのナイフで鹿を解体、美味しそうな所を持ち帰った。

その夜はしめやかなお通夜ならぬ反省会の筈が次第に元気付き大宴会の貴重な食材となった事は言うまでもない。

後日談

経験豊かな数人のハンターに聞いてみた所、
異口同音にそれほど大きい熊は今では足跡すら殆んど見かけなくなったとの事。

推測だけれどその熊は崖に鹿を追い込み、滑落させて鹿を獲っていたのではないかと貴重なアドバイスを受ける。

ましてや熊の獲物を横取りするなんてそんな危険な事は絶対にしては駄目ですよと厳重に忠告された。

それで熊が潜ったり右に左に泳いでいた理由が理解できた。

きっと我々の解体する鹿を岩陰からでも臭いを嗅ぎ、恨めしそうに眺めていたのだろうか。

今思うと高く掲げた釣り竿が熊の眼には大きな武器と写ったのだろうか。
真偽の程は解らないが愚生の命を守ってくれた武器としてその釣り竿は一生の思い出として残してある。

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王者のみに許されるであろう周囲を睥睨するような威厳、落ち着き、威圧感を漂わせた野生動物の頂点に君臨するデカイ熊との睨めっこ、この世のものとは思えない凄まじいプレッシャー。

一言で表すなら、無言、無表情の恐怖だろう。

前後の事は覚えているが睨み合いの時間は明確に覚えていない、凡そ15分位だったと思うが或は30分位だったのかもしれない、なぜか思い出せない。

それ以降、釣りのお供として与作を飼い始める。

その後、与作が藪から逆に熊を追い出して来た事も含め、数度熊を見かけているがどれもせいぜい80-130kg、黒色毛の小物ばかりである。

例えば偶然撮影できた、「死を覚悟した瞬間-はじめに」にアップした車の前を逃げる熊は黒色で一見大きく見えるが凡そ80-90kg、3歳前後と思われる。

背に渋く黄金色に輝く長毛を持ち、あれほど大きな黒褐色に輝く熊にはその後出会っていない。

素晴らしい一期一会だったのかもしれないなんて能天気なことを思っていたら、その後、愚生の知る限り、その近くでハンターが一人熊に襲われ重症、又、作業員が熊に後頭部を一撃され死亡等々の事故を聞かされる。

                        終わり-

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2008年2月 4日 (月)

死を覚悟した瞬間-熊の餌

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でっかい熊は逃げていった。
ここで大方の釣り師は藪から此方を視ているかもしれない熊を恐れ竿をたたみ早々と退散するだろう。

生来、自然、野生動物に人一倍好奇心が旺盛な愚生はこの熊の奇異なる行動に大いなる疑問を抱く。又二度とあのヒグマは現れないだろうと勝手にあまり根拠のない確信を抱き、用心深く釣りを再開し、熊の痕跡をチェックする。
熊と出遭った場所から泳いできたと思われるポイントに釣り下がる。同じ様に素晴らしいポイントの連続する流れだ。

所々に先ほどの熊が川から岸にあがり大きく身震いした痕が点在しており、川原を何度も行き来したと思われる出来たての大きな足跡、水飛沫があちこちにみられた。案の定、魚は警戒して全く食い付いてこない。

熊もきっと寒いに違いない、長時間、川に入っていられないのだろうが不思議な行動だ。

何故、熊が寒中に川の中を真剣に顔を沈めて泳ぎ、潜ったりしていたのだろうか、そして川原を何故、何度も往復していたのだろうか。

熊の内眼瞼にある瞬膜はお魚さんと異なり殆んど退化しているので、水中で熊の網膜に写し出される画像はオートフォーカスながらも地上と同じ鮮明な画像が得られるとは思えない。
にも拘らず、薄曇りの中、6メール先の水中から愚生のウェーダーを確認できたという事から察すると、或いは水中でも可也の視力があると判断してもあながち間違いではないのだろうか。

やがてそれらの問いに対する答えは簡単に、しかも直ぐにみつかる。

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500mも釣り下がった所で急流がゆるやかになり、川幅が広く、浅くなった所にある大岩に隠れるように又もや疑わしい’もの’が目に入る。

一瞬、又かと思ったがよく見ると全く動かず、茶色の肌に数列の綺麗な白斑が混じっている1.5m位の中動物が流されてきて大岩に引っ掛かっている。

小熊でない事を確認してから静かに近づくと、息絶えているよく肥えた70kg位のメス鹿であった。

川に半身浸かっているので当然温もりはなかったが死後強直はまだ始っておらず、左胸部の裂創部から血液が流失、血液凝固はまだみられない、つまり絶命して間もないという事である。

この冬眠前の大熊は崖から転落した大事な餌になる鹿を真剣に探していたのだろう。

でも鹿がはたして通い慣れたる崖から簡単に落っこちるものなのだろうか?

そうこうしている間に待ち合わせの時間に大きく遅れた愚生の危険を察知した友人が遠くより血相を変え走って来るのが目に入った。

                        -続く

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2008年2月 3日 (日)

死を覚悟した瞬間-後退する熊

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やがて熊は驚いた行動をとる。

なんと熊は愚生を睨みつけたまま少しずつ、ほんの少しずつではあるが後退りするではないか。

しかし絶対に愚生の眼から視線をずらさず、後ろを決して振り返る事もなく、静かにまるで後肢の掌面に全ての知覚神経を集中しているがの如くゆっくり、ゆっくりと後退する。

やがて熊は川から岸にあがり後退りを止め、その距離8mになる。

水中に沈んで見えなかった熊の肢が現れる、よく視ると毛で覆われた大きな掌の前面に黒光りする太くて短い、まるで鋼の様な爪がある事が分かる。

さあその強烈な武器でいよいよそこから岸伝いに近づき、一気に襲ってくる気なのか。

熊が覆いかぶさってきたなら、そしてもし一発で遣られなかったなら川の中で取っ組み合いも覚悟する。

何時もポケットに護身用に携帯しているバックのナイフの事など恐怖のあまり全く思いもつかず、背中にあるザックを素早く捨てなければ邪魔になるなんて、今思えば間抜けな、ピントのずれた事しか思いつかない。

こいつが川原の8m先から前進して来るなら、いよいよ.....。

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所がなんということだろう、

信じられない事に熊は愚生を真正面に見据え睨んだまま、再びほんの少しずつではあるがゆっくりと後退りをはじめるではないか。

やがてうれしい事にその後退速度が少しずつ、ほんの少しずつ速まる。

熊は大きな石がごろごろ転がっている川原を後方を振り向く事はせず器用に後退し続け、愚生との距離が20mと開いたとき、熊ははじめて目線をそらし後方を一瞬ながら振り向く。

その後も熊は此方を睨みながらゆっくりと後退、数回後ろを振り返り、愚生との距離が約30m位になった時に素早く向きを変え、駆け足で対側の急峻な崖を登り、鬱蒼とした藪の中に駆け込み消えた。

助かった瞬間だった、

川の中にぽつんといた愚生、やっと身動きが取れるようになり、流されないようにゆっくり川からあがり大汗を拭う、何ともいわれぬ安堵感におおわれた事を覚えている。

この勝負は愚生の勝ちだ、まさに地獄から天国への瞬間であった。

愚生が熊をさきに見つけて逃げなかった事が幸いしたのではなく、きっと逃げられない場所にいた事が幸運をもたらしたのだろう。

熊と愚生のこの勝負、互いに川の中でなかったなら結果はどうなっていたのだろう。

                     -続く

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2008年2月 2日 (土)

死を覚悟した瞬間-熊の威厳

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熊のあまりにも小さな目から発する凄味、微動だにしない凄まじい威圧感、全ての生き物を見下してしまう眼光で愚生の眼を睨み続ける、愚生の心臓は口から飛び出すほどの勢いで勝手に高鳴っている。

愚生から絶対に視線をそらさず、恐怖感を与え、威嚇し続ける。

この熊はあまりにも冷静で威風堂々としている、威厳すら感じさせ、無表情の強烈な怖さをもっている。

人は危機的一瞬に遭遇した時、過去の事が走馬灯の様に脳内を流れるという。まさしく愚生も瞬時に自らの過去の悪行事が、そして仕事の事等が頭の中を過ぎった。

しかし熊は何故かそれ以上距離を縮めようとはしない。

そして睨み付けたままである、

全く動かない、

愚生は後ろからの急流に靴底を取られまいと熊を真正面に見据えてやや膝を曲げ、両手を熊に向けて斜め上に挙げ、左手に持っている釣り竿も同じ様に熊に向かって斜め上方に大きくかかげる体勢をとる。

何とか少しでも此方を大きく見せる浅はかな魂胆である。

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それでも靴底の砂利が急流で洗われるので時々よろけたり、滑りそうになる。

もしもよろけた時に竿先が熊の顔にでも触れれば熊を怒らせてしまうので細心の注意を払いながら、時々靴の位置を変えなければならない不安定な危ない所に突っ立っている。

さあいよいよ愚生vs熊の睨み合い合戦が始まる。

凄まじいプレッシャーに耐え5分.....そして10分経過、

・・・

あふれるほどのあぶら汗を噴出しながらも何故か、過去の至らなかった人生のある場面が次々に現れては消える、

不思議な事だ、

・・・

なおも互いに無言ながら、互いに睨みあう。

だが不思議な事に熊はまだ襲ってこない、

吼えもせず、立ち上がろうともせず、水面を叩きもしない、

渓流の岩にぶつかる音のみが耳に入るだけである。

互いに絶対に視線をそらさず凄い心理戦はまだ続く。

                         -続く

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2008年2月 1日 (金)

死を覚悟した瞬間-6m先の熊

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熊は此方に全く気付かず、悠然と泳いでなおも寄って来る。

愚生はあえて逃げる事はせず、早く気付いてくれと祈る様な気持ちながら肝を決め、そこから動かずに留まる事を決意する。

何故なら、下手に動き、もしも急流で足をとられ流されたなら、確実に熊の鼻先に流れ着く位置にいる事、又逃げおおせるだけの距離、時間的な余裕も既にない。

しまいには、愚生の左手に持っている6.1mの釣り竿の先が熊の顔に届く所まで来てしまう。

何て事だ、矢張り逃げた方が良かったのか!

いよいよ、はちあわせか!!

所が、水中から愚生のウェーダーが見えたのだろうか、それ以上近付くのを止め、川岸の浅場に体を寄せ、遂に水中からノソッーと大きな岩の様な上半身が現われる。

雄熊だ!!

デカイ、

とんでもなくデカイ奴だ、

巨大な頭を持ちその大きさは左右耳間が凡そ40cm、頭頂部から下顎部まで凡そ45cmか、それ以上あるか、

推定体重は300Kg位か、それ以上かもしれない。

テレビでよく放映されるツキノワグマなど全く比較にもならない。

濡れた皮毛は淡い黒から茶褐色に近く、体表を覆う長毛、特に背正中線部を中心にくすんだ黄金色毛も有し、渋い光沢がある。

肩峰部が異様とも見えるほどに盛り上がり、栄養状態も良く、見事に鍛え上げた雄大な体型を呈している。

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あまりの迫力に恐怖感は一時、吹っ飛び、逆に崇高なる存在感に圧倒される事しばし。

まだ、北海道にはこんな度肝を抜くドデカイ熊がいる、

特に上躯の発達は素晴らしく、まるで肢を短くした力強い馬車馬の様に見えなくもない、

ツキノワグマなら、或いは究極の時には闘う事も選択肢の一つかもしれないが、このヒグマの大きさはその3-4倍はゆうにあるだろう。

こいつが竿先が届く位置で身震い一つせず、水を滴らせて微動だにせず、此方を睨みつけている。

さあー大変!

生きて帰れないのか!!

その距離6m、だが愚生との間には深く渦巻く溜りがある、

泳いで襲ってくるのか、それとも一度、川岸にあがり、岸伝いに近づき、飛びかかってくるのか。

周囲に誰一人助けてくれる人はいない、

食い殺されるのか、

それとも強烈な前脚で叩かれ、一発で終わりか

過去の熊による残虐な殺害事件が一瞬頭を過ぎる。

                           -続く

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