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2008年2月 2日 (土)

死を覚悟した瞬間-熊の威厳

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熊のあまりにも小さな目から発する凄味、微動だにしない凄まじい威圧感、全ての生き物を見下してしまう眼光で愚生の眼を睨み続ける、愚生の心臓は口から飛び出すほどの勢いで勝手に高鳴っている。

愚生から絶対に視線をそらさず、恐怖感を与え、威嚇し続ける。

この熊はあまりにも冷静で威風堂々としている、威厳すら感じさせ、無表情の強烈な怖さをもっている。

人は危機的一瞬に遭遇した時、過去の事が走馬灯の様に脳内を流れるという。まさしく愚生も瞬時に自らの過去の悪行事が、そして仕事の事等が頭の中を過ぎった。

しかし熊は何故かそれ以上距離を縮めようとはしない。

そして睨み付けたままである、

全く動かない、

愚生は後ろからの急流に靴底を取られまいと熊を真正面に見据えてやや膝を曲げ、両手を熊に向けて斜め上に挙げ、左手に持っている釣り竿も同じ様に熊に向かって斜め上方に大きくかかげる体勢をとる。

何とか少しでも此方を大きく見せる浅はかな魂胆である。

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それでも靴底の砂利が急流で洗われるので時々よろけたり、滑りそうになる。

もしもよろけた時に竿先が熊の顔にでも触れれば熊を怒らせてしまうので細心の注意を払いながら、時々靴の位置を変えなければならない不安定な危ない所に突っ立っている。

さあいよいよ愚生vs熊の睨み合い合戦が始まる。

凄まじいプレッシャーに耐え5分.....そして10分経過、

・・・

あふれるほどのあぶら汗を噴出しながらも何故か、過去の至らなかった人生のある場面が次々に現れては消える、

不思議な事だ、

・・・

なおも互いに無言ながら、互いに睨みあう。

だが不思議な事に熊はまだ襲ってこない、

吼えもせず、立ち上がろうともせず、水面を叩きもしない、

渓流の岩にぶつかる音のみが耳に入るだけである。

互いに絶対に視線をそらさず凄い心理戦はまだ続く。

                         -続く

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