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2008年3月19日 (水)

博士号謝礼事件と御祝儀

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人それぞれ多くを語らない陰の所に’付け届け’という因習がある。
人間関係の上下だとか、権威だとか、階級だとかによって分けられた者が下から上へ所属する組織内、或いは組織間で盆暮れの付け届け、謝礼、接待、冠婚葬祭等々に至る、色んな名目で何某かの意味、期待を込めお金、或いは相当する贈答品で’気持ち’を表す行為がある。

例えば忠臣蔵の原因は諸説あろうが
その要因の一つに指南料、いわゆる’袖の下’が小額だったのではないかとする意見がある。

切られた吉良上野介は浅野内匠頭から受け取った指南料が小額過ぎた故にきちんと作法を伝授せずに恥をかかせ、殿中に至ったとする説である。

仮に吉良が希望通リの指南料を受け取っていたなら刃傷沙汰は起こらず、浅野は儀礼を忠実に実行したであろうし世間の風を読む優れた大名と評価され、又、姑息的な人物像としての吉良は存在しなくなり、そもそもストーリー自体が成立しない。

是非はどうあれ、浅野及び吉良の心情を察する日本人は贈る側と貰う側の絶妙でもあり、微妙な駆け引き、そしてある種の日本的なバランス感覚を肌で感じ取っている。

誤解を畏れずに書くと高額なお金が動いた横浜市大の博士号謝礼事件などは日本の伝統的な慣例であり、問題のない現金授受と何某医学部長は判断されたのではなかろうか又、ハッとされた諸兄も沢山いただろう。

しかし、21世紀になってもこの時代錯誤も甚だしい因習にけじめを付けなかった公務員でもある教授らは、権力者の当然得られるべき対価だと勘違いしていたのだろう。

社会常識とは無縁な内向きの思考回路しか機能しない学内の権力者にとって、権威とはこんなものでしかないのだろうか。

無言の強制とも云われるこの悪しき日本的非常識に逆らって謝礼を支払わなかった優れた博士号取得者もいただろうがきっと学内には残れなかっただろうと推測される。

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倫理観の欠如した教授らが集って学内の倫理委員会でこの問題を検討するらしいが横浜市大はここにも大きな間違いを犯してる。

これは倫理等という高尚な問題ではなく、中学生にもわかる人間性の問題である事すら理解できない学部教授陣の様である。

但し、受け取りを拒否した副査でもある准教授がおられた事がせめてもの慰めではあろうと単純に考えがちだが、この種の事件が露見した根っこには往々にしてお金、人事等の絡んだ、きな臭い問題が内在している事が多い。

人間性に問題がある教授が生命の尊厳を説いている学問なんて、

城山三郎氏が聞いたならなんとコメントされたであろうか。

社会倫理の欠如した教授が生命倫理を説く愚かさを敏感に感づいていた学生こそ被害者だろし本来のアカデミアの全否定であろう。

数年前、こんな事があった。
外国から帰化して10年以上経つ知人のアングロサクソン系の好青年が、日本を含む世界に通じる高難度のライセンス取得に挑戦、愚生もお手伝いさせて頂いたが見事に合格、その御祝いに日本文化を理解させる意味も込めて、御祝儀を渡したがその意味を理解させるのに大変苦労した事がある。

「東洋の不思議な国の習慣はシンジラレナイ」と、

ごもっともです!!

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コメント

むかし某会社の営業をしていましたので、歳暮・中元の時期になると得意先の発注権を持つ担当者への配達が、普通の業務に追加されて走り回っておりました。
それまで、どうしても受け取ってもらえなかった担当者の家になんとか配達して、帰社したらその方から注文が入っていたとの笑い話がありました。
転勤シーズンになると餞別を渡していましたが、通常とは一桁違う金額を渡して、大幅に注文を頂いた事もありました。

物を頂いて悪気がする人間はいないとの理屈で、当時は毎度配達していました。
そのことがモラルに関係するかを当時は全く考えていませんでした。
もう時効なので書いてみました。

投稿: 清水小政 | 2008年3月19日 (水) 22時26分

こんばんは、komasaさん
その様な事が医学、政治まで巻き込んだ総ての局面で、是非を別にしても洋の東西を問わず.....。

投稿: | 2008年3月19日 (水) 23時30分

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