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2008年12月 7日 (日)

アイヌとデルス・ウザーラ

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昨夜、NHK,BSで放映された、史実を元に脚本された黒澤 明監督の「デルス・ウザーラ」に登場したご老人と、愚生の知っている北海道の昔のアイヌは地理的にも近く、昔から交易もあり、dnaレベルでも近似していて当然だろうが、改めて習慣も含めて、酷似している事に驚いた。

ソ連のシベリア沿海州に住み、天然痘で家族を失い、天涯孤独で、奢らない、朴訥、無垢な猟師のデルス・ウザーラが持つ研ぎ澄まされた五感、経験論をベースとして展開している。

北海道のアイヌも同様に、その昔は純朴そのもので、結核の集団感染もあり、悲惨な生活史も一部にあったが、大変優れた狩猟本能を持ちあわせている。
例えば狩猟の際、和人らが何人掛かっても捕獲出来ない熊を一人で単発銃一丁かかえて射止める能力、勇気があったと聞いている。

似たお話をアイヌの長老から伺った事がある。
真冬に、一人で雪深い山奥に入り、捕えた獲物だけで喰いつなぎ、数ヶ月後、沢山の毛皮と干し肉を引っさげ悠々と引き返して来る、たくましいアイヌが実際にいたというから日高版デルス・ウザーラである。

新田次郎著、「八甲田山死の彷徨」でも紹介されている遭難の際には、極寒、大雪の中で救出は困難を極めたらしいが実際に川水に浸かり、捜索したのは渡島から行った北海道のアイヌだったという記録も残っている。

Imgp9175

故黒澤 明監督の好きなキーワードである、火、風、山を人に喩えて表現していたが、それをアイヌは神に喩える独特な世界観がある。

先住民族の生活慣習を単純に、アニミズムだの、縄文文化などと言い表してしまっている、えせ文化人類学者らの活字が、時に誤った差別感情を助長している馬鹿げた図式も御地には見え隠れしている。

せめて北海道に住むアイヌの方々に、鹿猟、熊猟、鮭漁くらいは開放してもよいのではないかと、ふと考えもした。

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コメント

こんにちは、nipeです。
与作さんのブログにもお邪魔させていただきます。

狩猟を生業として生きていた人々には相通じる点があるのですね。
ブログを読ませていただいてなるほどと思いました。

北海道が好きで観光や登山で20数回足を運んでいます。
ハンドルネームは東大雪の名峰、ニペソツ山から取りました。

投稿: nipe | 2008年12月 9日 (火) 11時11分

こんにちはnipeさん
そうだったのですか、その辺りは夏は魚釣り、冬は露天風呂巡りを楽しんでおります。

特に氷点下30度以下で髪の毛はバリバリに凍りつく夜中に、熱い露天風呂に浸かり、ビールで一杯なんて、最高ですよ!!

北海道の特権です(笑)。

時々、お邪魔させて頂きます。

投稿: 与作 | 2008年12月10日 (水) 14時22分

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