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2008年12月10日 (水)

加藤周一さんの視点

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司馬遼太郎の、『竜馬がゆく』と『燃えよ剣』に登場する倒幕派の坂本龍馬と、対極に位置する幕府に雇われたテロリスト集団の土方歳三らを同列に並べて英雄視するスタンスは極めて不思議な日本人の心理であるとしている。
維新に対し、明確な政治心情があれば両者の主義主張に組する事は出来ないし、ヨーロッパではありえないと断言している。

一例にすぎないが、故加藤周一氏の海外から視た日本人論に新鮮な驚きが多々あった。

今、手元に初版から8巻までの「夕陽妄語」がある。
時には人生の指針となり、時には反発もあり、素晴しい宿題を残してくれた。

その昔、NHKの憲法改正の討論番組で、京大教授の高坂正堯氏と佐々淳行氏の硬派の論客らを相手に見事に完膚なきまでに論破してしまった故加藤周一氏の言葉の力、凄みと同時に、言葉を失した両者の茫然自失とした表情がいまだに忘れられない。

一つだけ確信を持って云える事がある。
現在の政治家、特に、安倍晋三、福田、麻生らに故加藤周一氏のせめて半分でもよいからその見識、洞察力が具わっていたなら日本は今とは違った方向に向かっただろう。

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昨今、田母神元航空幕僚長なる人物が大きな勘違いをして登場している。
田原総一郎は彼を「文献すらまともに読んでいない」と酷評しているが、意図的に歪曲されたものなのか、或いは知識不足なのか、理解困難な仮想史が彼の思考回路の根底にあり、脆弱な思想を形成している。
だが、日本人の半数近くが氏の意見に賛同し、果ては核武装論まで飛び出す昨今の右傾化を、加藤周一氏は的確に予見されていた節がある。

殉教者気取りだが退職金は欲しいとのたまい、立場、時期、論拠等どれをとっても間が抜けおり自衛隊トップですらこの程度の判断能力、まさに人材枯渇、これぞ真の日本の危機である。

国防思想に思いをはせて、入隊した純粋な若い隊員が哀れにも見える愚行である。

矛盾を抱えるにしても、九条をまもる会の存在意義もたかまるのか。

            
                         瞑目、そして合掌

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