« 北風磯吉さんのお気持ち | トップページ | ル・クレジオの言う宗教性 »

2009年12月 3日 (木)

札幌でル・クレジオの講演

Imgp1870

2008年ノーベル文学賞受賞者はル・クレジオであったが村上 春樹も候補者となり一時ゴシップを賑した。12月2日、ル・クレジオが札幌で講演、他に池澤夏樹、そして太宰治を父に持つ津島佑子らも同席、手の届きそうな所に座った超豪華な顔ぶれに愚生も興奮する。

昔読んだ、ル・クレジオ著、集英社出版、「パワナ」が池澤夏樹さんによって取り上げられ、少数民族の悲哀を直視し、その自然観が今こそ必要な事と力説され、また知里幸恵のアイヌ神謡集をフランス語に翻訳出版した作家の津島佑子さんが口承文学、女性文学の視点より、金田一京助の影響を受けた知里幸恵の高い文学性に付いて論じられた。
余談だが写真で知る太宰治と津島佑子の表情が余りにも似ているのには正直、驚いた。

そしてル・クレジオの静かなフランス語の語り口から中南米でスペイン侵略によるインディオ社会崩壊の事がインディオの視点で語られ、アイヌとの共通点を説いていた。また、ル・クレジオも知里幸恵の文学を高く評価し、登別に行ってお墓に参いり、「銀のしずく」知里幸恵記念館設立へ向け尽力しているらしく、その賛同、応援者の中にはオノ・ヨーコも名を連ねる国際的な顔ぶれらしい。

Imgp2035

ただ、問題提起としてのこの種の文学は今更ながら新鮮味に欠け、しかも少数民族が抱える問題の解決法には触れていない、これが文学の限界なのか。
北大で開催された久しぶりに聞く、垂涎ものの講演であったが最後に会場からq&aで、僧職についておられる方から、「一神教とアニミズムの関係に対する質問」が出た。
それに対する通訳を介した返答の意味はよく理解できなかったが、もしも聞き違いでなければ一神教とアニミズムはマイノリティに対して同じ・・・云々と訳されていたのではないだろうか?
ル・クレジオはこの種の議論では必ずしも一神教と多神教を両極において論じてはいないと解釈してよいのか。

|

« 北風磯吉さんのお気持ち | トップページ | ル・クレジオの言う宗教性 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/47604/32474619

この記事へのトラックバック一覧です: 札幌でル・クレジオの講演:

« 北風磯吉さんのお気持ち | トップページ | ル・クレジオの言う宗教性 »