2011年9月29日 (木)

鹿部沖で釣り談義

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9月27日、快晴やや風が強かったが船上で現役引退された船長と愚生の二人だけでオヒョウ/はりばっと/halibutの獲る場所、方法、お味の談義はとても楽しかった。
この船長はスペイン語が堪能で若い頃は日露漁業の機関士、漁労長として、その弁を借りれば’あの憎っくき200海里法’が施行されるまで世界中を周ったそうである。
アルゼンチンの沖で鯛をトロールで獲り尽くしたこと、その港町のきかない女性のこと、ロサンゼルス沖で獲ったキングサーモンの旨かったこと、そしてアラスカ、コディヤック島沖でトロールで獲った畳一畳半もあるでかいオヒョウに話が及ぶとヒレの天ぷらがとっても旨かった等々、なかなかの趣味人であり、好人物でもあった。

愚生のオヒョウ釣りの記録はエリモで10-30センチ位、カナダではせいぜい1メートル位のもので勿論、そんなお化けの様なオヒョウには開高 健同様にまだめぐり合っていない。

ところで肝心の愚生の釣竿を揺らす様な当たりはなく、時たま小さなガヤ、カジカが喰い付く程度で本命のババカレイはなかなか釣れないのは技術の差なのだろう。
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帰路、円空作のお仏像を拝観させていただきたく有珠の善光寺に寄り道し、寺職第19代目の若和尚に無理を承知でお願いしたところ快諾してもらえた。
大よそ縦60cm、横幅35cm前後の大きさで、ご本体背側に製作年月日と円空(花印)と刻印がなされ、前屈み姿勢で穏やかなお顔立ちは柔和で慈悲に満ち、後期の突き刺すようで、荒々しく暴れ、悩み続け、悩みぬいた作風とは全く異っている。

後世の俗人はやれ国宝だ、重要文化財だのと病的なほどにある種のランク付けを好む悪癖があるが所詮そんなものは円空さんにとって俗事にしか過ぎず、その余りにも強烈な生きざま、死にざまをあえて選択した、その人として、お坊さんとして、また仏師としてその御心を目前に鎮座する木仏より読み取れない自分を円空さんに恥つつ、詫びつつも何時の日にか円空さんを理解出来るような心眼を持ちたいものである。

また大変失礼かとは思いつつ、仏門もくぐりその心得もあった松浦武四郎がここ有珠善光寺に寄り、和尚の読経を聞き、後に確か蝦夷日誌か何かの中で、それをいい加減な経として痛烈に批判しているが、武四郎関連の記録はないとの返答であり、初代、若しくは2代鸞洲(ランシュウ)住職の頃ではないかとの説明であった。

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約130年前の明治11年、シティ・オブ・トーキョー号で横浜港に着いたイギリス、スコットランドの田舎生まれの女性旅行作家イザベラ・バード/Isabella L. Bird女史は既に40歳代の小太りのおばちゃんになっていたがアシスタントのイトー/伊藤を雇い、危険を承知の上で、東京よりテクテク歩き、時にはお馬さんにまたがり東北経由で津軽海峡を渡り、函館から森町へ、そこから船便で室蘭に着き、登別、苫小牧、厚真、富川を経由し目的地であった平取のアイヌ宅で数泊、その帰路、ここ有珠善光寺を訪れた時の様子が自著「日本奥地紀行」高梨健吉訳、平凡社版/unbeaten tracks in Japanの中に詳しく書き残している。

『ちょうどそのとき、頭を剃った僧侶が、色褪せた緑色の錦の衣服をつけ射し込む日光を浴びながら静かに歩いて来て、祭壇の蝋燭に火を灯した。新たに香が寺の中に立ち籠めて、その香気は人の眠気を誘う。まことに感銘深い光景であった』
                  (日本奥地紀行、p346より引用)

その時、住職とイザベラ・バード女史の短い会話の様子も情緒豊かな文章の中に書き残しているので女史訪問の記録の有無も寺に尋ねてみたが此方もないとの事であった。文中の緑色衣服の格式からしてそのお坊さんは第9代、中野梵耕住職との説明であった。

ここ有珠の地はアイヌに対してバチェラー夫妻が聖公会堂を開いてキリストの教えを説き、その前に善光寺が浄土の教えを説いたが、そもそも歴史的には和人と称するハイブリット種よりもはるかに古く遡るアイヌ民族には日本仏教の原点にも共通する、或いは影響を与えた仏教渡来以前の素晴らしい汎神的宗教を延々と今に引き継いでいるにも拘らず、往時の幕府政策の一環とはいえ、なぜ有珠善光寺はアイヌに改宗を迫ったのだろうか、根源的疑問は消えない。

もしや、少数者のアイヌを劣った民族と解してその宗教性まで否定した上で、文化的にも自らが優位に立つと自惚れた和人が撫育などと称して仏性を説いたのであれば大きな誤りであろう。

「アイヌには先祖伝来の宗教がある、そんなもの必要ない」と怒ったアイヌもきっといたに違いない。

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2011年2月14日 (月)

名もない温泉

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流れ込む無色透明の自然湯から析出された湯の花から勝手に想像するに鉄分、石灰、珪酸を含み、若干の硫黄臭は酸性なのか、その湯に浸かりながら地元漁師さん等と釣り談義もまた良い。

恵山御崎漁港に面した無看板の温泉小屋から対岸の青森尻屋岬の眺めは正に絶景でカナダ国境沿いから南方に眺めるシアトルに似ており、漁村に漂う硫黄臭は南十字星を眺めながら浸かったrotoruaの露天風呂を彷彿とさせる。

先ほどまで使っていたサクラマス釣り用のマスシャクリ仕掛けに談が及んだ所、同湯していた地元の老漁師も会話に加わり、
「俺等はテンテンと言うんだ、戦後、この町の花田民乃丞(民之丈?)という人が刀掛けの鹿の角を用いて造り、その結果が良かったので皆真似たんだ」と教えていただく。

聞くに、釣り竿を用いず腕の上下運動だけで行うそのマスシャクリ仕掛けに隠された臭い、形状、動作、色彩等は究極に凝縮されたオリジナリティの塊である事、また恵山の漁師等は各々自作し同じ物は一つとしてない等々楽しい釣り談義であった。
アングロサクソンが考案したとされる現代のルアーに比べてもはるかに深淵で、尚且つ芸術性を併せ持つ一品に日本人ならではの英知、技が見て取れる。

このマスシャクリ仕掛けは従来、日本海沿岸の何処かの漁村で考案されたとも噂されていたがひょっとして恵山御崎が発祥の地であるのかもしれない。
又、この仕掛けにやや重量感を持たせると南半球のヒラマサ釣りにも充分対応できるのではないかと一人合点がゆき、来年の宿題が一つ増えた。

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漁港に面したこの名もない温泉も夕刻になると地元の老若男女が一つしかない小さな湯ぶねに浸かり、暫し交流の場になるらしい。
今でも北海道の片田舎にこんな素朴でゆったりと時間の流れる所がある。我々現代人が忘れてしまった大事なものがこの小さな漁村には残っている、これが本来の秘湯なのかもしれない。

自利があたり前になってしまった今、世知辛く変性してゆくのが近代の宿命とは思いたくもないが、ひょっとして日本人はまだ失っていないかもしれない利他の心はこんな所から生まれたのか。

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2010年8月20日 (金)

逃げたお魚さん

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積丹サル湾沼前沖、8月19日深夜1時、船上で竿を持ちジグを振っているのは愚生のみ、船長を含めた他の8人は熟睡、昨年と違い無風、快晴、若潮、微かな揺れの中、数時間前に起こった巨大魚との格闘で血中アドレナリン値がまだ正常値にもどらない為、そして2度目の奇跡を期待しての事であった。

それは釣り開始後数時間経過して最初に突然掛かった大物、ぐいぐいと重量感のある、ゆっくりとした引っぱりで釣り竿では全くコントロール出来ない。
なんとか6-7メートル引き寄せても直ぐに勢いよくスプールが逆回転、それを何回か繰り返すが全く引き上げられない。

時化っぱやいカナダの海では巻上げを止めるとギブアップと判断されることもある。
ライフル片手の薄汚い髭ずら船長は有無いわさずナイフで釣り糸を切り、途中まで挙がってきた大きなハリバットを逃がしてしまった憎っくき焼酎焼けの赤ら顔が頭を過ぎった。

しかしここは日本、横で見ていた船長はゴム手袋を装着して釣り糸を持ち、なんとか数メートル引っぱっり上げたが愚生の前方にいた敵はやがてゆっくりと右前に移動、しかもゴム手袋が釣り糸で破れた。

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疲労困憊した愚生をみかねたのであろう一週前でっかいエイを船べり近くまで引き寄せた実績をもつ愚生のブリ釣りの師匠でもある岩内の釣り名人が代わってくれ、格闘してくれる。
岩内の釣り名人は敵がお休みしているすきに2-3メートル巻き上げたがそれ以上は全く無理、そしてまたスプールがゆっくり逆回転し、やがてラインは方向を変え今度は船底へと流れた。
そこへ今度は二の腕の太い皮手袋を装着した札幌の釣り名人が登場し釣り糸を持ち、二人掛かりの巻上げを愚生は横でただ傍観するのみ、やがて終章へ・・・。

船上は皆ため息、掌の傷ついた船長、釣り名人等の一致した見解はエイだろうとの御診断を授かった。

やがて釣りは終了、積丹半島を背景にした見事な朝焼けの中、船長が巻き上げたシーアンカーの細いロープに4号peライン&100ポンドジョックリーダーが絡まり、格闘してくれた浜ジグはなんと無事愚生の手元に返ってきた。

見えないドラマを想像するのもまた良い。

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2009年6月25日 (木)

漁師魂

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スタンプ川で釣ったスチールヘッドを手荷物に、カナダからの帰りはいつも12月の早朝、バンクーバー空港を発つ。

エアーカナダ機は先ずアンカレッジに向かい、アリューシャン列島上空を通過する頃には薄暮となる。
時には薄暗い月明りの中13,000フィート上空から眼下にカムチャッカ半島から南西方向に連続する大小23島からなる千島列島、ロシア名クリル諸島が雪、流氷群の中にそれこそ見事に美しく浮き上がって見える。やがて北海道の網走漁港上空を通過する日本時間は昼過ぎとなる。天候次第だが正しく絶景の連続、だがそこは命をかけた北洋漁業の大舞台でもあった。

1944年9月3日、主に様似の漁船員を乗せた、第五新栄丸がカムチャッカ半島近くに位置するエルカマ島(越渇磨島)付近でアメリカ潜水艦の攻撃を受け大破、沈みつつある甲板にしがみつく漁船員めがけて機銃掃射、撃沈させられた生々しい様子が生き残り船員の証言のなかにある。

又、なかにし礼作詞、「石狩挽歌」の中にも出てくる、晩年の「かさと丸」はあたかも最後を迎えるべく小樽を出航、ソ連の宣戦布告の翌日、1945年8月9日、拿捕、漁船員は下船させられ、ソ連軍により爆破、カムチャッカ沖に沈んだ。

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ポンポン船とよばれた小馬力の小船一隻のみで、勿論GPS、レーダー、海図などなく小学生用の地図帳だけを頼りにオホーツク海を横切り、ぶつかった陸地がカムチャッカ、そこで見つけた他船に目的地を聞き、ようやく漁場にたどり着いた事が、竹中 猛、森 勇二共著「エルカマ島沖に消ゆ」発行所、’様似、戦争を記録する会’に記されている。

現在、プロをなのる漁師にその真似はできようか。
ツワモノ、そして強屈な漁師らが体を張って挑んだ豊かな海、底知れない勇気、度胸が凝縮された海でもある。

余談だが、「笠戸丸」とはイギリスで造船、周航、その後、ロシアに売却、日本が旅順の戦利品として分捕った船で、移民船としても使われた。

盗られた側であるロシアのスターリンは笠戸丸撃沈の報告を聞き、歓喜したともいわれ、船乗りは強制的にシベリア送りと他書には記載されている。

読みながら、冷蔵庫の隅に残っていたスチールヘッドの切り身で一杯。

同時に釣ったウィンターランより、数段旨い!

不謹慎ながら・・・。

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2009年3月21日 (土)

イトウ、タイメン、興安マグロ

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日本でイトウ、ロシアではタイメンと称され、釣り師を魅了する所か、釣り師の人生そのものまで変えてしまうお魚さんである。

漫画、釣りキチ三平の矢口高雄さんが中国ハン陽から列車で20時間、農耕車で湿地帯に分け入り、さらに4時間、最果ての川に日本で一番乗りと喜んでいたら、白いあごひげを蓄えた日本人に出会う、それが週刊釣り情報の小西和人であり、イトウを釣っていたとある。(朝日新聞より引用)。
常人では考えられないイトウ釣りの魔力は喩えるなら原理的シャーマニズムに近いものがあるのかもしれない(笑)。

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イトウ釣りでは開高 健が有名だが数十年前、神田古書街で入手した、今野 保著、「秘境釣行記」中公社出版の中にも朴訥な語り口ながら、イトウ釣りの度肝を抜く、凄まじい獲り込みの様子が詳細に紹介されている。

昭和16年、筆者は中国の奥地でどうにか手に入れた綿糸、オモリとなるナット、自製の釣り針、そして餌となるスズメ2羽を袋に入れ一人で馬に乗って深淵のあるハルハ河の支流に向かった。
綿糸を柳の枝に結び待つ事30分、そのスズメを餌にした仕掛けに巨大なイトウが掛かり、釣竿等はなく両手で紐を引っ張るがズルズルと川面に引っ張られる始末、やもうえず近くにいた愛馬の鞍にミチ糸ならぬ紐をくくり付けて引かせ、苦労した挙句にやっと浮いた魚体は2.3メートル位であったが獲り逃がしてしまった。
翌日、筆者は軍隊仲間数名と伴にトラックに乗り込み再度行き、今度は川で火薬を爆破させて浮いたイトウを仲間と伴に危険覚悟で手づかみにした。
捕えた中で最大のイトウは体長2.8メール、太さ2メール、それより大きいイトウは逃げてしまった。
そして脂ののったイトウを皆で刺身にして美味しく食べた。
この巨大魚を中国では興安マグロと呼ぶそうだが、著者には北海道に棲むイトウとしか見えなかった・・・・・以上、要点のみ抜粋。

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昨日の新聞紙上で、「幻の魚、イトウの保護条例が道央の南富良野町で制定」とある。
川を守る事は即ち木を、森を守ること、快挙である。

これが無規制で激減している渓流魚復活にむけた静かな革命のはじまりになればいいのだが。

釣り師は少しだけ、我慢しよう!
2メートル以上に成長する事を夢見て、応援しようではないか!

余談だが、キャッチ、つまり釣る技術以上に、リリースする技術のほうが難しい。
北米のある所では子供に対して、釣り挙げる技術より、針外しの方法、渓流への逃がし方を、そしてクーガ、熊から身を守るすべを最初に教えている。

今、オーストラリアニュージーランドに限らず北米でも在来の大型魚を乱獲から守り、生息数を増やし、世界中の釣りキチが集まって来て、一大産業が成り立っており、ネイティブインディアンのガイドも沢山いる。

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2009年1月16日 (金)

ハドソン川でチカ釣り

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先程、ニューヨークで旅客機不時着の報を聞く。
ニューヨークのラガーディア空港は、頑固な自然保護団体が守る野鳥のサンクチュアリにも指定されている海岸線に面している。

北西風の時は北側に向け離陸し、ヤンキースタジアム上空を通過するのが一般的な飛行路みたいだが、まともに海岸線を突っ切る飛行路は羽田と一緒である。

離陸時に鳥を吸い込み、エンジン推力が低下したと判断したなら北東方向に位置する、広いロングアイランド海方面に何故、舵を切らなかったのか、それとも推力低下に気付いた時には既に左旋回した後だったのか、少し疑問も残る。

だが、眼下のハドソン川しかないと機長はとっさに判断したのだろう、お見事な不時着だった。

喝采!!

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ニュージャージーとマンハッタンを隔てるそのハドソン川には苦い思い出がある。
その昔、マンハッタンのハーレム近くに宿を取った12月の早朝の事だった。ハドソン川で北海道方式の投げ釣りとチカ釣りをしようともくろみ、かみさんを連れて日本から持ち込んだ250円のサビキ仕掛け、折りたたみ式釣り竿、エサのウィンナーソーセージ等をコンビニ袋に入れ、鼻水をすすりながらコロンビア大学構内を通リ抜けて、ハドソン川方面に向かった。
すると目前に片側3車線の幅200メートルはありそうなハイウェイが現れた。遠くに横断歩道橋は見えたがそこまで行くのは面倒なので、横着してそのハイウェイを高速で飛ばす車の間をすり抜け、なんとか半分横断した。
ここまでは良かったのだが朝のラッシュ時で交通量が次第に増えだし、引き返す事も出来なくなり、中央分離帯で立ち往生、大ひんしゅくを買ってしまった事がある。

この間抜けな二人が日本人の信用度を低下させたのは間違いない。(笑)

行き交う運転手さんは手で合図を送ってくれたり、’危ない’、’止めろ’等、大声でわめいていた。(笑)

もしニューヨーク市警パトカーに見つかったなら、きついお灸を据えられた事だろう。(爆笑)

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2008年1月10日 (木)

オッ、でっかい!

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cnn1月版に12歳の子供が大きなサメを釣り挙げたと一報。

早速、チェックしてみると

newyork posttampabays10.comepsn/fishing

各々に略、似かよった文章が掲載されていた。

温暖なフロリダの入り江で約250kgのbull shark(ウシザメ又はオオメジロザメ)を半日掛かって釣り挙げたとの事、

従来の記録は1981年に釣り挙げられた235kgとの事。

それにしても大変だっただろうな、

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愚生、数年前にカナダのフレイザー川の山の中で120kgのチョウザメを大の男4人がかりで大汗をかきながら、どえらい苦労して釣り挙げた経験があるが、

その倍以上の重量を、

しかも12歳の子供が

銃も、

電動リールも用いないで釣るなんて、

ほんと??

フロリダを紹介したflorida's treasure coast/websiteには、

釣り挙げたサメを得意げに踏んずけたポーズで、小生意気そうな小僧と、怖そうなパパらしき御仁のお写真が掲載されていた。
                                 (笑い)

凄いね、

坊や、疑ってごめん!!

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2007年10月20日 (土)

今、デンバーが熱い

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今、コロラドの田舎町、デンバーが熱い。

松井 稼頭央の所属するコロラドロッキーズがワールドシリーズ進
を決める。

アメリカ中央部に位置し、ノンビリ感の漂う、遠くにロッキー山脈が
見える街並み。
しかし、愚生にとってはあまり良い思い出はない。

海外に行った際、時差ぼけ、二日酔い解消に早朝ジョギングをよく
するがデンバーの早朝といっても、真っ暗な中を初冬の寒い、
ダウンタウンのビル街を走っていた所、何かにつまずき、踏んずけ
、そして蹴っ飛ばし、危うく転倒しそうになった。

振り返ってみると、
ヒトらしい掌と、口くらいしか見えなかったが、よく見ると黒のフード付き服装に、黒のブランケットを身にまとった睡眠中のホームレスの黒人が通路に足を投出し沢山体を寄せ合っており、その中の何人かの足を踏んずけてしまい、気まずい思いをした事がある。

闇夜のカラスは地べたにもいた(笑)。

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又、たしか1996年だったと思うけれど、
当地で開催された学会最終日を待たず、サンフランシスコ経由でカナダのバンクーバ-島に行き、キングサーモン、スチールヘッド釣りをする予定で早朝デンバー空港に行き、UA-Airに乗り込んだ所、機体の故障とやらで一度、機外に出され、goの再コール待ちとなる。

ここまではたまにある事で、

’点検、修理に2時間は掛かる見込み’

との重要なコメントを得て、搭乗ゲートから離れた所で、朝食を取っていた所、なんと、15分程で修理完了、愚生だけ残して出発してしまう。

一人残され、えらい腹のたった愚生は、
UA-Air受付カウンターに行き、

「搭乗旅客数も確認せず出発するとは何事だ」、

自分のいた所を説明し、何故、アナウンスを流さなかったんだと聞き
ただした所、

「搭乗ゲートよりあまり離れた所へはアナウンスを流していない」と、

「それじゃー、直ぐに飛行機を戻せ」、

等々、かなり無茶苦茶なクレームもつけたが

「済みません」のみ、

勿論、一度飛び立った飛行機がもどってきた等、聞いた事もない。

悪い事に、
接続のよいバンクーバ-行きの便は夕方まで無い有様で、数個の
預けた申告の必要な器具等を入れた無施錠を含む手荷物のみがバンクーバ-に行ってしまい、最悪のカナダ釣行の原因になってしまう。

帰国したら、UA-Airより5ドルの商品券が届いていた。

すっかり、カナダでの釣旅行を狂わされた苦い思い出がデンバーに
ある。

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2007年9月13日 (木)

カムイワッカの滝の側でアキアジ釣り

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9月12日、アキアジ釣り、一人で挑戦、
ウトロ港より出港、まだ暗く、竿先もはっきり見えない中で、世界遺産に指定された知床半島、硫黄山を背景にカムイワッカ滝の略まん前のポイント、水深は約60m位だったかな。

全員、左舷側のみで釣り座を構え、錘は300号と船長から厳達。

愚生にとっては初めて見る、超特大のサイズ、こんなんで面白いのだろうかと漠然とした疑問。

不思議に思いつつ、餌となるサンマの切り身を付けて投入すると、これが又、簡単に流される始末。

しかも30度位の角度で。

これでは日高の渓流よりも流れが速いではないか、全く、興味半減してしまう。

ウトロへは何回も釣行して入るがこんなに潮が早く流れる事は初めてであった。

あの、キングサーモン釣りで名を馳せ、リバーの銘を有するcampbell riverでさえ、こんなに早くはなかったのに。

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所が、
隣に陣取った、遥々と京都から来られた自称’関西のトリタテヤ氏’曰く、

「こんなのは序の口」、とのたまうではないか。

続けて、

「よく行く、四国の室戸岬で、ブリ釣りする時は500号の錘にでっかいコマセカゴを付けて投入すると、瞬く間にはるか遠くに流されてしまう事は度々あるよ、よってこんな事は気にならないよ」、

と、ゴツイ事おっしゃられる。

案の定、釣れない時間帯の長い事たらありゃしない。

その間、
強烈な関西弁丸出しの’関西のトリタテヤ氏’とお仕事、釣り談義等に花が咲く。

お仕事として、
ヤクザ屋さんに立ち向かう時の様子、間違って関西では名の知れた、アイズ・コテツファミリーの小部屋に入ってしまった時の様子等を、面白可笑しく聞かせてくれる。

又、結構な釣りキチでもある氏は、
お一人で北米、アラスカ州、アンカレッジ経由で、kodiak islandに夏季に釣行され、キング、halibut釣りを楽しみ、過去には100kgのオヒョウの身を日本にお土産として持ち帰ったとの事であった。

愚生が、
「サーモンに付いては無申告で日本への持込は問題にならないけれど、記憶違いでなければ、確か、オヒョウは申告、検疫対象魚だよ」と説明すると驚かれていた。

一寸からかって、
「50歳過ぎて、オッチャンになってしまったなら如何すんのと」、

愚問を投げかけたら、

少しだけ、ほんの少しだけ、表情が変わった様に拝見された。

自由なたっぷりの時間、釣り、大自然が似合ってる男、40歳前、single、no mobile, no personal computer,と個性派の釣り氏であった。

人生を大いに楽しめ、’関西のトリタテヤ氏’。

3

と、一期一会を楽しみつつ、
絶景の中で、肝心の釣果は10匹?として、クール便で各地に宅配、愚宅に帰ってきたのはたったの一匹のみであった。

やっぱり、遠すぎる、

疲れたー。

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2007年9月 8日 (土)

キャッチアンドリリース-アメリカの場合

Chris_zimmerman21 Czimmerman1

アラスカ科学センター生物科学研究室、漁業研究プロジェクトチーム、魚類生物学研究者であるMr,Chris Zimmermanに、発表された学術論文の一つである、<ニジマスの釣り針損傷及び生理学的反応>の引用許可をお願いした所、快諾して下さいました。

Yosaku-

Please feel free to use any of the information and images from our webpage.  Please identify the source and provide a link to our webpage.  Thank you for your interest in our work and for helping to distribute the information to a larger audience.

Is that a white spotted charr on your webpage?

Chris

タイトルは、次の通りで、以下に愚生の和訳を記載します。

evaluating the effects of catch-and-release fishing on the hooking injury and immediate
physiological response of alagnak river rainbow trout captured by catch-and-release angling

アラスカのAlagnak Riverに於けるキャッチ&リリースにより捕獲されたニジマスの釣り針による損傷及び直接的な生理学的反応について

   はじめに

釣り挙げられ、再び放流される、所謂、キャッチ&リリース(以下c&reと記す)によるニジマスに於ける、急性のストレス及び釣り針による損傷がどの様に魚体に影響を及ぼすかまだよく分からない。

死亡するか死亡しないまでも繁殖行動の変化、耐病性、発育遅延又は食欲減少等の異なったタイプのストレスとしてあらわれる事もある。

又、釣り針による損傷は日和見細菌感染症、若しくはカビ感染症に侵される事もあり、眼の損傷は捕食行動に影響を与えるであろう。

1997-1998年、アラスカのAlagnak Riverで約2100匹のニジマスを針又は網で捕獲し調査した結果、1000匹に釣り針による傷痕がみられ、その内30%以上に2箇所の釣り針痕が認められた。

したがって、魚体の変形、釣り針痕等はアラスカを訪れるアングラーに決して好ましく思われていない。

   目的

本研究の目的は釣り針による損傷の影響を調査する事。
又、釣り挙げに要する時間、釣り針を取り外すのに要する時間と生理学的ストレス反応の関連性に付いて調べた。
生理学的ストレスレベル検査の為、血漿中コルチゾール値、血糖値、乳酸値及び電解質値を測定した。
尚、アングラーの経験レベル、水温も調査した。

   方法

生理学-
2000-02年の夏、254mm以上の大きさのニジマスをclive oil溶液を用いた麻酔下で尾の静脈より採決した。
その後、新鮮な水を入れたタブに入れて蘇生させ、平衡感覚が戻り、正常な泳ぎが可能になった後、放流した。
ボートの上に屋外キャンプを作り、それを実験室とし、血液サンプルは遠心分離後、血漿を液体窒素タンクにて保存、USGS Conte Anadromous Fish Research Center にて分析した。
各々、
釣り針に掛かってから取り込むまでの所要時間、
釣り針はずしに要した時間、
麻酔に要した時間、
採血に要した時間、
覚醒に要した時間、
放流に要した時間を記録した。

放流する際、視覚、行動が元に戻るまで足にまとわり付くがその時間も記録した。

釣り針による損傷-
調査はアラスカ州Alagnak river及び,Nonvianuk湖とKukaklek湖の出口で一日2回捕獲した。

釣り方法はフライフィッシング及びスピンフィッシングの二通り、
釣り針はJ型、circle型の二種を使用、
釣り針はカエシのあるもの及び、カエシのない二種を使用、

捕獲された総てのニジマスは重量、尾叉長(口の先端から尾ひれ中央のくぼみまでの長さ)の計測、過去の釣り針傷の有無を調べた。

協力したアングラーは自分の研究所のスタッフを含め、各所からのボランティアらにも参加してもらい、初心者群(過去10日以下の釣行暦)と経験者群(年10回以上釣行する)に分けた。

捕獲した魚は、死亡率及び生理学的反応時間を調べる為、空気に晒すことなく余計なストレス、損傷を避けた状態下におかれた。

   結果

生理学-

血漿コルチゾール値及び乳酸値は針掛かりして取り込むまで2分以上要した群と2分以内で取り込んだ群に分け、比較検討した。

血漿コルチゾール値及び乳酸値は針掛かりしてから取り込むまで要した時間に相関があり、長引くほど、両者の値は増加し、水温が上昇した時により明瞭に認められた。

血糖値及び血漿Na,K,Cl値は釣り方法、水温、取り込むまで要した時間と相関はなかった。

水温は季節により色々変化するが血漿コルチゾール値及び乳酸値はより高水温の時に上昇する傾向がみられた。

釣り針による損傷-

上、下顎部に71%の割合で、眼若しくは眼と顎に10%の割合で認められた。
666匹中、386匹(58%)に少なくとも1ヶ所の釣り針による損傷がみられた。

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                  上顎部の釣り針の損傷痕-上記サイトより引用

J型釣り針のフライフィッシングで57%、スピンフィッシングで62%、同様にcircle型釣り針を使用した場合、フライフィッシングで46%と統計的有意差はなかった。

しかし、舌、エラ、眼、食道など内部器官に限ってみるとcircle型釣り針を使用した場合より J型釣り針を使用した方が釣り針による損傷の発生頻度は高く、それに伴う出血頻度も外部器官より高かった。

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                   反対側の上顎部の釣り針痕-上記サイトより引用

J型釣り針に起因する損傷(355匹)の内、釣り針のカエシのない群は50%であるのに対し、釣り針のカエシのある群は67%であった。

カエシのあるJ型釣り針はカエシのないJ型釣り針より取り込みの際外れる可能性はより少ないが針を外すのに時間を要した。

経験の浅いアングラーの損傷頻度は70%なのに対し、経験の長いアングラーは56%であり、掛かった魚の取り込みに要する時間は逆に経験の浅いアングラーの方が短かった。

釣り針による損傷は魚の大きさ、カエシの有無によって少し変化があり、中等度から重度の出血を伴う損傷はカエシのない釣り針で10%であったのに対し、カエシのある釣り針で15%であった。

釣り挙げ後、まもなく死んだ魚が1.2%程あったが釣り針の刺入部位、及びエラから中、重度の出血が原因であった。

   管理の為のアドバイス

カエシのあるJ型釣り針は損傷をより増加させ、魚から取り除くにも時間を要するが、魚の取り込みにはカエシのないJ型釣り針よりも効果的であった。

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   上顎部の欠損、顎の先端部の2ヶ所の釣り針痕-上記サイトより引用

カエシのあるJ型釣り針を制限すると釣り針による損傷頻度を減少させ、それに伴う出血も減少させ、釣り針はずしに掛かる時間も少なくて済んだ。

だが、circle型釣り針を使用した場合は取り込みに際し、J型釣り針のようにはいかず、途中で逃げらる事も多かったが釣り針による損傷頻度に両者間に変化はなかった。
しかし、内部器官損傷率は極端に少なかった。

ニジマスの釣り針による死亡、損傷はたくさん研究されているが感受性の高い内部器官の損傷が第一である。
この様に、circle型釣り針を使用した場合、内部器官の損傷による死亡率減少につながるが取り込みが十分ではない。
従ってアングラーが使用する事は好ましくないかもしれない。

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             c&reが始まる前からの眼の欠損-上記サイトより引用

従って、次の項目が重要だろう。

適切な釣り針の選択、
釣り針はずしのテクニック、
手早い取り込みの重要性、

これらを啓蒙する事により、損傷頻度を減少させ、そして取り込み時間をより短縮できるだろう。

水温の上昇している時は特に、釣り針に掛かってから外すまでの時間を短縮する事は結局、生理学的ストレスを最小限にし、回復時間の短縮にもなる。

                                           以上

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