2011年2月14日 (月)

名もない温泉

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流れ込む無色透明の自然湯から析出された湯の花から勝手に想像するに鉄分、石灰、珪酸を含み、若干の硫黄臭は酸性なのか、その湯に浸かりながら地元漁師さん等と釣り談義もまた良い。

恵山御崎漁港に面した無看板の温泉小屋から対岸の青森尻屋岬の眺めは正に絶景でカナダ国境沿いから南方に眺めるシアトルに似ており、漁村に漂う硫黄臭は南十字星を眺めながら浸かったrotoruaの露天風呂を彷彿とさせる。

先ほどまで使っていたサクラマス釣り用のマスシャクリ仕掛けに談が及んだ所、同湯していた地元の老漁師も会話に加わり、
「俺等はテンテンと言うんだ、戦後、この町の花田民乃丞(民之丈?)という人が刀掛けの鹿の角を用いて造り、その結果が良かったので皆真似たんだ」と教えていただく。

聞くに、釣り竿を用いず腕の上下運動だけで行うそのマスシャクリ仕掛けに隠された臭い、形状、動作、色彩等は究極に凝縮されたオリジナリティの塊である事、また恵山の漁師等は各々自作し同じ物は一つとしてない等々楽しい釣り談義であった。
アングロサクソンが考案したとされる現代のルアーに比べてもはるかに深淵で、尚且つ芸術性を併せ持つ一品に日本人ならではの英知、技が見て取れる。

このマスシャクリ仕掛けは従来、日本海沿岸の何処かの漁村で考案されたとも噂されていたがひょっとして恵山御崎が発祥の地であるのかもしれない。
又、この仕掛けにやや重量感を持たせると南半球のヒラマサ釣りにも充分対応できるのではないかと一人合点がゆき、来年の宿題が一つ増えた。

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漁港に面したこの名もない温泉も夕刻になると地元の老若男女が一つしかない小さな湯ぶねに浸かり、暫し交流の場になるらしい。
今でも北海道の片田舎にこんな素朴でゆったりと時間の流れる所がある。我々現代人が忘れてしまった大事なものがこの小さな漁村には残っている、これが本来の秘湯なのかもしれない。

自利があたり前になってしまった今、世知辛く変性してゆくのが近代の宿命とは思いたくもないが、ひょっとして日本人はまだ失っていないかもしれない利他の心はこんな所から生まれたのか。

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2007年1月 4日 (木)

マコカレイ釣り-1

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1月4日、早朝、3人で沸元漁港を出港。

初めのうち、釣れるのはネコザメばかり、他には、可愛いイイダコ(上記画像)、

「これは旨いぞ」とは船長の弁。

民宿に泊まった際、ご無理をお願いし、このイイダコを料理して頂き、試食してみたが硬くてさっぱり美味しくなかった。

それに比べ、マコカレイのお刺身はさすがに超一流のお味であった。

このマコカレイ、他県では町おこしに一役買っているし、超高級ブランド銘を冠されているお魚さんなのにも関わらず、北海道では地元のお店に並ぶ事なく、其の殆どが関西方面へ出荷されるなんて馬鹿げた事だと、大政家さんは云われていたが、もしも事実とするなら悲しい現実と云うべきか。

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それでも忘れた頃にイシカレイは釣れるが本命のマコカレイはなかなか釣れず、試行錯誤しているうちにやっとの事で大政家さんに大きい立派な身の厚いマコカレイが釣れる。

又、キャビンの陰がなんやら騒々しい。

こちらからは見えなかったもう一人の釣り師に大物が掛かったらしく、
慎重にリールを巻き上げている途中で強烈な引きが2度ほどあり、竿先がいっぺんに上を向いてしまったとは後程の談。

船長曰く、「50cm位のババガレイだベー」と、捨て台詞。

なんと釣り針が真ん中からヘシ折れてしまう事故発生、悔しそうな素振りは見せなくとも内心は・・・推して知るべし。

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肝心の未熟な愚生、シャクリのパターンを色々と変えやってみるが応答なし、やがて魚信があり巻き上げると、ヒレに針が引っかかった状態でマコカレイが上がってきた。

その後も、シャクリ続けるが釣れないのでほったらかしておいた所、又、喰い付いてきた。

なんとも、ひねくれたこの時期のマコカレイだが後半にはイシカレイも混じりそれなりに透明度の高い海で楽しむ事が出来、満足。

お昼に終了、その後、松前城を見に行き、帰り道で知内温泉に入浴、前日に予約済みの沸元漁港近くにある民宿に投宿する。

其処の女将さんは面白い方と云うか、純朴でもあり、不思議な御人で、

こちらから話しかけても挨拶はせず、ニコリともせず、なんしに来たんだ、と言わんばかりの対応である。
又、愚生を睨みつける様な素振りで訛りが強く、こちらからお風呂、食事時間等の質問をしても殆ど答えてもらえない。

窮した愚生、慎重に言葉を選びつつ、精神科の医師ではないが少し謙って、微笑みつつ、諭すようにゆっくりと、

「何故なの、教えて頂けませんか」?と再度、御丁寧な質問した所、

「あんたのコトバ、ワカンネー」と全人格を否定された様な・・・可也、きついお言葉で、怒られる始末。

きっと、女将さんの眼には愚生の素振りが異邦人の様にしか写らなかったのだろうか。

しかし、不快感などなく、逆に朴訥なにおいを感じる。

視点を変えると、

他の哺乳類は幸いにも持ち合せていなかった、人としての根源的な’悪’と言われる、

おごり、ねたみ、自己中、怠惰etcを払拭したこのパフォーマンスは感慨深いものがある。

愚生、世界中、色んな所で投宿した経験を持つが、生まれて初めて聞かされたフレーズであった。

今から十数年前、スイスのとある田舎町、殆ど外国人は訪れないような’蚤の市’でドイツ語とイタリア語をミックスした様な言語を話すオヤジさん相手に気に入った古いカメラを値切りまくって買い交渉をしていた時のこと、

そのオヤジさんから、

「お前、一体なに人だ」と云われて以来のカルチャーショック。

・・・・・

イイネー、実にいいですねー、田舎は、

これで生きてゆけるのだから。

追記:日本の古い’純’な里の習慣がまだ残っている事を記したのであり、決して誹謗中傷ではありません。

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2006年1月16日 (月)

レンタカーでロトルアへ

paihiaの宿泊先であるkingsgate hotel autoloodgeを早朝チェックアウトし、ルート1号線をオークランド方面に向かう。
夜間と異なり、日中の走行では行き交う車は多いが矢張り気楽に運転できる。
所々で写真を取ったりしながらオークランドを過ぎ、hamiltonの街中で車を止めショッピング、食事を取る。

とあるオープンレストランで無国籍料理一皿がたったの10ドルなのでオモイッキリ盛り合わせて運ぶ、

日本の恥、我がカミさん。

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燃料補給も忘れず、夕方前にrotoruaと云う北海道の登別温泉に良く似たイオウの臭う温泉町に到着する。
夜、世界各国から特に北欧、東欧からと思われる綺麗な美女軍団も一緒に共同浴場に入浴する。
勿論水着着用で、聞いた事の無い言語が飛び交っていたが間違って日本式スッポンポンで入浴したならえらい事になっただろう。

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湖畔には初めて見る綺麗な鳥が沢山泳ぎまわり、周囲の芝生が良く管理され素晴らしい環境。

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鳥達の横でキャンピングカーに設置されたオープンデスクで物静かに読書にふける、見るからに賓の良さそうな、知性と教養に溢れる貴婦人とおぼしき清楚な服装の人と目線があったので挨拶する。
当然、この淑女は柔和な微笑を顔いっぱいに浮かべてre挨拶。
と、ここまでは何事も無く。

所が通り過ぎると間もなくとんでもない大音量で形容しがたい異音が耳に入り、一瞬ギクッとし立ち止まる。

丁度、種馬が放屁といななきを同時にする様な、又、下痢した種牛が交配直前にだす間の抜けた、情けない、雄たけびの様なサウンドが2度ほど,,,,,。

恐る恐る振り返って見ると先程の高貴な御婦人が、顔を真っ赤に染め、平然と力いっぱい辺りかまわず鼻をかんでいた,,,,,。

一瞬唖然、これもニュージーランドか!

深夜、一人で漆黒の中、ホテルの大きな露天風呂に満天の星空の中に南十字星を眺めつつ入浴。

ビール片手に、

最高!!

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